教師の資料作成に追われる毎日、生徒の集中が続かない授業──そんな悩みを一気に解決するのが、GoogleのAI学習ツールNotebookLMです。
最新アップデートで、画像生成モデル「Nano Banana」(Gemini 2.5 Flash Image)が動画解説に統合。
教材から文脈に合ったイラストを自動生成して、音声つき動画をワンクリックで作れます。
さらにフラッシュカードやクイズ(小テスト)まで自動生成。無料プランでも十分に試せ、上位プランでは上限が大幅拡張されます。
この記事では、他AIとの違い、使い方、導入のコツまで教育現場の視点で徹底解説します。
NotebookLMは「教材ベースの理解促進」に特化した実務的AI
NotebookLMは、自分たちがアップロードした教科書PDF、配布資料、Web記事、YouTube文字起こしなどをソース(出典)として認識し、その範囲に基づいて要約・説明・QA・レポート・音声/動画解説を生成する「学習支援特化」型のAIです。
そのため、ハルシネーション(AIによる誤回答)の心配がなくなります。
新アップデートでは、Nano Bananaの統合により、動画解説(Video Overviews)のスライド画像が内容連動のイラストに進化し、複数の見た目スタイルを選べるようになりました。
これにより、教材の理解促進・集中維持・記憶定着が加速します。
他AIツールと何が違う?──「広く答える」より「授業に沿って深く教える」
- 汎用型AI(例:ChatGPT、Gemini):Web全体の知識や一般常識をもとに幅広く回答。新規テーマの発想・草案づくりに強い。
- NotebookLM:指定した教材ソースに基づいて回答・解説・動画化・カード化。授業内容との整合性・出典参照・復習の循環を重視。
つまりNotebookLMは、「手元の教材を“わかる形”に変換するティーチング・アシスタント」です。
授業の意図から逸脱しづらく、根拠(出典)をたどれるため、学校現場で扱いやすいのが最大の強みです。
音声・動画解説が強力:Nano Bananaで「見たくなる教材」へ
NotebookLMの動画解説は、教材を読み込ませるとナレーション付きスライド動画を自動生成。
今回のアップデートでNano Bananaが統合され、教材内容に即したイラスト・図解を自動で描き起こすようになりました。学習者は耳(音声)+目(図解)の二重チャネルで理解を深め、特に抽象概念やプロセス理解に効果を発揮します。
選べる見た目スタイル(例):Classic / Whiteboard / Watercolor / Retro Print / Heritage / Paper-craft / Anime / Kawaii など。
教材や学年に合わせて「堅め(Whiteboard)」から「親しみやすい(Anime / Kawaii)」まで選択できます。
フォーマット選択:長めの解説(Explainer)と、短い要点動画(Brief)の2種類。職員向け要約や授業の導入・振り返りに最適です。
フラッシュカード&クイズ(小テスト)まで自動生成
NotebookLMは、アップロードした資料から重要語句・定義・要点を抽出し、フラッシュカードとクイズ(小テスト)を生成できます。
これにより、インプット→アウトプット→再学習の循環がツール内で完結し、記憶定着を強力に後押しします。
- フラッシュカード:英単語・歴史の年号・理科用語・数学の定義/定理などに最適。テンポ良く反復可能。
- クイズ(小テスト):選択・穴埋め・正誤などを混在させ、誤答項目を重点再出題。翌週の形成的評価にもつなげやすい。
料金・上限:無料で試し、必要に応じて上位プランへ
無料プランの代表的な上限(例):ノート100冊、各ノート50ソース、1ソース最大約50万語(または200MB)、チャット50/日、音声3/日、動画3/日、レポート10/日、クイズ10/日、フラッシュカード10/日。
上位プラン(AI Pro/Plus等):ノート・ソース・クエリ・メディア生成の上限が大幅増。例:音声(Audio Overviews)20/日まで拡大など。※地域・時期で名称や条件に差異あり。
現場での使い方(実践テンプレート)
①「導入の60秒」:注目を集める短尺動画
- 単元PDF・配布資料・出典URLをノートに追加。
- 動画解説でBrief+WhiteboardまたはAnimeを選択。
- 「本時のねらい」「キーワード3つ」「誤解しやすい一点」を指示して生成。
→ 生徒は授業の全体像を先に掴めるため、板書や実験に集中しやすくなります。
②「差がつく復習」:音声+カードで二段ロック
- 授業後、同じ資料からExplainer(長め)を作成し、家庭学習用に共有。
- 同ノートからフラッシュカードとクイズを生成し、週次で反復。
→ 「聞いて理解」→「カードで確認」→「クイズで定着」の流れをNotebookLMだけで回せます。
③「職員会議・研修のDX」:長文資料を動画要約に
- 議事録や調査PDFを読み込ませ、Brief動画を作成しメール/校内ポータルで共有。
- 欠席者のキャッチアップ、事前合意形成、意思決定の迅速化に寄与。
→ ニュース系メディアでも、動画解説は「複雑な概念やデータの理解を助ける」という評価。
④「提出物の質を底上げ」:レポート生成と出典管理
- レポート(Reports)機能で、構成・見出し・引用候補を自動草案化。
- 出典リンクから根拠をたどれるため、引用の透明性を担保しやすい。
→ 学習者が「なんとなくの要約」ではなく、根拠に沿った説明を作る習慣が身に付きます。
操作の流れ(動画解説の基本手順)
- NotebookLMでノートを作成し、PDF/URL/YouTube/Docs等の資料を追加。
- Video Overviewsを開き、Brief/Explainerとビジュアルスタイルを選ぶ。
- 必要に応じて「重点トピック」「対象学年」「語彙難度」を指示(Steering Prompt)。
- 生成を実行。Nano Bananaが文脈に合う図解を自動生成し、ナレーションと合成。
導入のコツ&リスク管理
- 資料の命名・章立てを整理:抽出精度・カード品質が上がります。
- 誤答前提の運用:AIの説明は常に検証。出典を確認し、必要に応じて修正。
- 著作権・個人情報:配布権や匿名化を学校規程と照合。
- 小規模パイロット→校内展開:学年や教科で段階導入し、テンプレ化。
他AIとのスマート併用レシピ
- 構想段階:汎用AIでアイデア出し・調査の幅出し。
- 教材確定後:NotebookLMにソース投入→音声/動画+カード+クイズで授業設計。
- 振り返り:誤答ログから翌週の小テストを再生成し、弱点を重点復習。
よくある質問(FAQ)
Q. スタイルはいくつ選べますか?
A. 公式ヘルプ上はClassic / Whiteboard / Watercolor / Retro Print / Heritage / Paper-craft / Anime / Kawaiiなどが選択肢として案内されています。地域や時期で名称・数が異なる場合があります。
Q. 無料でも実用的?
A. 無料でも音声/動画生成は1日各3回など実用的な上限が用意されています。まずは無料でサイクル(導入動画→カード→クイズ)を回し、必要に応じて上位プランで上限拡張が現実的です。
Q. 上位プランのメリットは?
A. ノート数・ソース数・クエリ回数・生成回数が大幅増。例として音声20回/日など。校内の共用や分析機能、共有権限の高度化もアナウンスされています。
Q. どんな学習者に特に有効?
A. 音で理解したい学習者、読字困難や日本語学習者(JSL)、抽象概念でつまずきやすい生徒に効果的。動画解説は複雑テーマの理解を助けるという報告もあります。
まとめ:教師は「設計」に集中、生徒は「わかる」に最短距離
NotebookLMは、Nano Bananaの動画統合で「見たくなる教材」を自動生成し、音声・動画→カード→クイズの一連の学習体験を一つの場で提供します。これは汎用AIにはない授業連動の深さです。まずは次の小さな一歩から始めてください。
- ① 単元資料を1冊のノートに集約
- ② Brief動画(60–90秒)で導入
- ③ フラッシュカード10枚+クイズ5問を配布
- ④ 誤答ログを見て翌週の再学習へ
教師は授業設計に集中し、生徒は「わかる」体験を積み上げていく──その基盤として、NotebookLMを教室と家庭学習の両方に取り入れてみましょう。

